保健所から犬を引き取って、2か月。
一日4回、散歩に出る。
彼女はとても賢くて、慎重。
始めは3歩歩いては止まる、周囲の音や動きに引き返すの繰り返し。
1か月過ぎるころ、やっとしっぽが上がり、自信をもって歩く姿が嬉しかった。
テリトリーができ、チェックしたいポイントを見回る。
ずっと外にいたくて、帰宅経路になると動かなくなる。
ほめて、待って、の繰り返し。少しの進歩が涙が出るほどうれしかった。
そのうちこちらの意図を見越して、自分の行きたいほうに引っ張るようになった。
まあいいか、好きにさせてもたいした距離じゃないし、最終的には言うことをきくし、
ダメなら抱っこで連れて帰ろう、
と、この数週間が過ぎた。
iphoneの万歩計を見たら、最近は一日5.6キロも歩いていた。
彼女の外にいたい、という様子に、そうだよね、外にずっといたもんね、と同情し、
野犬だったから、縄張り意識も強いだろう、と意思を尊重した。
1週間に1度はお腹を壊すので、なるべくストレスをかけたくないという思いもあった。
どうなったか?
楽しくない、負担感、閉塞感が増してくる。それに自分がなんだか弱くなった感じ。
これは変化のしるし、何かを変えなさいという合図。
そんな時、海外で住み込みで子どものお世話をしている長女が、
子どもの親から、しつけについて要望があったと電話してきた。
とても安定して賢い姉妹。泣いて主張を通そうとすることに対し、ダメなことは泣いても、ダメを貫いて、とのこと。
その家の子育ての姿勢や、幼稚園の先生たちの対応を聞いていて、
アッとわかったことがあった。
私の犬育て、お互いの信頼を結ぶところはもう大丈夫。
そろそろ優しさを次の段階へ進める時。というか優しさがいつの間にか本物ではなくなっていた?
同情やストレスをかけるのが怖い、という理由では、結局はその子を不安にさせる。
不安から発するエネルギーの中にいることになるから。
あ~ごめんよ、混乱させてしまって。
泣いても怒ってもそのままでいさせてあげるよ、でもこっちだよ、
という1本筋の通った、どっしりとした自信。自分自身と相手への信頼感。
そのエネルギーが自分に湧き上がってきた!
エネルギーは思考と行動を変える。
グイっと引っ張るたびに静かにNOと言って止まり、緩んだらよし!いい子」!と歩き出す。
たった一度の散歩で繰り返しただけで、家にまっすぐ帰ってこれた!
なんだか表情も安心しているように見える。
もっともっと賢くなる!
もっともっと楽しく過ごせる!
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